フジコンは創業50年の端子盤専業メーカーです。

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フジコン株式会社

端子盤の教科書

端子盤とは

1.1 端子盤について

端子盤とは、簡単に言うと電気を使う装置と電線を接続する為の部品です。電線の接続はネジで締めるものや差し込むだけのもの、大きなものから小さなものなど極めて沢山の種類があります。

プリント基板などに端子を接続する際の端子を挿すための配線接続用の部品の小さな台のことで、電線の接続・分岐・中継のために複数の端子を集合した機構部品の総称のことです。端子台、ターミナルブロックなどとも呼ばれています。

では端子盤はどうして必要なのでしょうか。機械はその部品単体で動くのではなく複数の機械が協力し合って動くものです。機械と機械はケーブルで接続しますが、機械とケーブルを接続するには端子が必要になります。ただ、機械によってはケーブルを抜いたり接続したりする作業に危険なものもあります。そこで考え出されたものが電気を通す状態で、ケーブルを固定するものとして端子盤が発明されました。

もともとは制御盤や配電盤で使用されAC100Vや200Vのラインを接続する為、電線は圧着端子をネジ止め、取付けは固定型またはDINレール対応型でした。しかし、現在ではプリント基板に取り付ける端子盤も各種作られています。

電線の接続方法は、普通のネジ止め以外に、ネジアップ式、スクリューレス式、ネジ止めではないタブ端子台、圧接式などの種類があります。プリント基板用ではコネクタを直接接続できるコネクタ端子盤もあります。端子数、端子ピッチも各種揃っています。NECA C 2811で「工業用端子台」として定義されています。

1.2 端子盤の種類、用途

①中継型端子盤

医療器向けを始めとし、工作機器、大型サーボアンプ、レーザー溶接機、電力関係、船舶関係、鉄道関係、防衛関係への納入実績が多くあるシリーズ。

②貫通型端子盤

FA業界全般に使用実績あり。
プリント基板に実装される機器の入出力部へ使用。
(主にユニット電源や計測機器に使用)

③貫通型端子盤(上下ビス付き)

携帯電話の基地局、新エネルギー関係、大型サーボアンプ、溶接機、大型電源などでの使用実績有り。
大電流が必要な機器での使用が多い。

④貫通型端子盤(2段型)

計測機器を中心に制御関係、ロボット関係、空調関係への納入実績有り。
小スペースに多く配線を行う場合の使用に適している。

⑤コネクタンシ

制御機器向けで開発・販売を行っているシリーズとなっております。 着脱ができることで使用用途が増えボイラー関係、保護リレー(電力)などの業界に納入実績有り。
カスタム依頼も多くあり。

⑥ねじ無し端子盤

防災関係、無線関係、セキュリティー関係、健診機器関係や機器の小型化、工数削減などを目的としたお客様などへの納入実績有り。

⑦基板端子

車載、空調、新エネルギー関係を中心に幅広く使用実績有り。
当社標準品でも売れ筋上位シリーズとなっています。
また、キャリアテーピングを行う事で自動挿入も可能。

⑧トランジスタクリップ

パワコン、電源、放送関係、医療関係、その他トランジスタを使用するあらゆる機器に搭載実績有り。

⑨カスタム品

多くのお客様と共に培った技術力を活かし、お客様のご要望に柔軟に対応させていただきます。
樹脂成形品、金具(ブスバー)などのカスタム対応も可能。

工業用端子盤の性能について

2.1 「機能」と「性能」の違い

「機能」と「性能」は混同される場合が多いのですが、きちんと使い分けるべき重要な概念となります。 大きな違いは、「機能」とは性質や役割であって、直接数値化できないもの。また、「性能」とは、具体的な指標として数値化できるもの、という表現がわかりすいかと思います。ここでは、そういった数値化した工業用端子盤の「性能」について述べていきます。

2.2 電気的性能について

①耐電圧
耐電圧試験は、絶縁が確実に施されているかを絶縁間に高電圧を印加し確認する試験です。また、耐電圧は絶縁破壊を生じることなく確実に印加できる電圧の上限であり、絶縁耐力とも呼ばれます。 準拠規格であるNECA C 2811では、定格絶縁電圧が*250Vの場合は2000Vで、*600Vの場合は2500Vで試験を行うこととなっています。試験方法は、端子盤を接地した金属板へ使用状態に取り付け、50Hz又は60Hzの正弦波に近い*上記の電圧で行います。初めに規定電圧値の1/3以下の電圧を加え、以後規定値に達するまで、電圧計を読みながら急速に上昇させます。 印加時間は、電圧が規定値に達した後1分間とします。但し、受渡検査の場合、最初から試験電圧値の120%の電圧を1秒間印加して、これに代えることが出来ます。

②絶縁抵抗
絶縁抵抗とは、電流が流れる電路における電路相互間及び電路と大地との間の絶縁性(電流が流れない性能)のことです。単位は一般的にMΩ(メガオーム)が用いられます。絶縁抵抗が低くなると漏電を生じ、感電や火災等の原因となるので注意が必要です。

NECA C 2811では、「絶縁抵抗試験は、端子盤を金属板へ使用状態に取り付け、500Vの絶縁抵抗計(通称:メガー)を使用し、各充電部相互間、各充電部と取り付け金属板の間の絶縁抵抗を測定する」とありその時の絶縁抵抗は20MΩ以上で無ければならないとされています。当社では、フェノール樹脂のボディで100MΩ、PBT、PET、ポリカーボネートなどのボディで1000MΩ以上と規格より厳しい数値を設定しています。

③温度上昇
温度上昇試験とは、電子機器の通常作動状態時において、所定の部位(人的接触が可能な部位及び内部にある部品)の温度が規定されている限度温度を超えないかを測定し、火災や火傷などにならないよう製品安全性を評価することを言います。
NECA C 2811に規定された試験方法は、3極以上の端子盤にあっては3極、3極以下の端子盤にあっては全極を直列に接続し、定格電流を連続して通電し、温度がほぼ一定になった時の中央極の電線接続部に出来るだけ近い部分の温度上昇を熱電対温度計で測定し室温との差異が45℃以下であることとされています。(ULでは30℃以下)
当社は、30℃以下になる設計を基本とし、この条件を満たすように定格や適合電線を決定しています。

2.3 機械的性能について

①結線ビスの締付トルク
ねじを回して締め付けるときに回転方向に回す力を「締め付けトルク」といいます。ねじを締め付ける時は、締め付けトルクで管理することになります。締め付けトルクが小さすぎるとねじが緩み、締め付けトルクが大きすぎるとねじが破損することになる為です。
NECA C 2811(工業用端子台)では、締め付け強度試験は、端子ねじをトルクドライバなどを使用して徐々に締め付け、表1に示す締め付けトルクを5~15秒間加えた後、端子ねじを緩める、とあります。当社では15秒間と規定し試験しております。

表1 (NECA C 2811より)
端子ねじの呼び径 mm 3 3.5 4 5 6 8 10
締付けトルク N・m 0.5 0.8 1.2 2 2.5 (6.0) (10.0)

②導電板(端子部)の引張強度
引張強度試験は、端子盤に定格適合電線を規定の締付トルクで結線して行います。このとき表2に示す引張力を加え、異常が無いこととしています。ここで導電板が浮いてしまったり電線が外れてしまったりした異常は危険な為、これも重要な試験であることに間違いありません。

表2 (NECA C 2811より)
定格適合電線 より線 mm2 0.5~1.25 2~3.5 5.5~8 14~22 38~60 100 150
単線 mm 0.5~1.2 1.6~2
引張力 N 50 100 150 200 250 300 350

③耐振動性
振動試験をする目的は、端子盤が取り付けられた後に、周りの機器などの振動による影響により10μs(フジコン規定)以上の電流の断が発生しないことを確認するために行います。(JIS C 5402参照)また、振動負荷による部品のこすれ、傷、破損、あるいはネジの緩みなどによる動作不良などを起こさないか、も確認しています。(NECA C 2811参照)

NECA C 2811の試験方法は以下となっています。
耐振動試験は、端子盤を使用状態に取り付け、適当な長さの定格適合電線を、電線接続部の形状に応じた接続方法で接続し、その一端を振動による張力が加えられない程度に固定して行います。
a)振動数範囲と複振幅は、表3に示すいずれかの組合せとする。
b)振動数の速さは、振動数範囲を1往復するのに要する時間が1分の割合とし、連続的でかつ、一様に変化させる。
c)振動を加える方向は、上下、左右及び前後の3軸方向とし、振動を加える時間は、各軸方向共に2時間とする。

表3(NECA C 2811より)
振動数範囲 Hz 複振幅 mm
10~55 0.75
1.0
1.5

④耐衝撃性
耐衝撃試験は、端子盤を使用状態に取り付け、表4の衝撃を上、下、左、右、前及び後の6方向に各5回、計30回加え破損、変形、変色等の異常の無いこととしています。

表4
最大加速度 m/s² 持続時間 ms 速度変化 m/s
500 約11 3.4

2.4 環境性能

①耐熱性
NECA C 2811では耐熱試験の条件として、「70±3℃の恒温槽に2時間保った後取り出して常温に1時間放置し、異常が無いこと。また、その後耐電圧、絶縁抵抗を測定し、数値が規定を満足すること」とあります。当社でもこの規格に基づいた試験を行っております。

②耐寒性
NECA C 2811では耐寒試験の条件として、「-25±3℃の恒温槽に2時間保った後取り出して常温に1時間放置し、異常が無いこと。また、その後耐電圧、絶縁抵抗を測定し、数値が規定を満足すること」とあります。当社でもこの規格に基づいた試験を行っております。

③耐湿性
NECA C 2811では耐湿試験は、「端子盤を温度40±2℃、相対湿度90~95%の恒温高湿槽内に96時間保った後、常温・常湿の室内に取り出し、付着した水滴をふき取り、5分以内に耐電圧、絶縁抵抗を測定し、数値が規定を満足すること」とあります。
当社でもこの規格に基づいた試験を行っております。

規格について

3.1 規格の必要性

規格(標準)の定義  自由に放置すれば多様化、複雑化、無秩序化する事柄を標準化し少数化、単純化、秩序化することによって制定される「取り決め」。

3.2 各規格の位置付け

端子盤の適合規格
①IEC(International Electrotechnical Commission)規格
IEC規格は、国際電気標準会議が制定する国際規格です。IECは各国の代表的な標準化機関によって組織される非政府間国際機関で、電気通信分野を除く電気・電子分野について国際的な標準化を行っています。2013年3月現在、IECには正会員60カ国、準会員22カ国が参加しており、日本からはJISを制定する日本工業標準調査会(JISC)が代表として参加しています。
規格は、その規格を制定した団体の種類・規模によって、適用範囲が異なってきますが、ISO(国際標準化機構)やIECといった国際機関が制定した国際規格は全世界で適用されます。また、近年においてもIEC規格とJISとの整合化が図られています。

②EN(European Norm)規格
EN規格は、欧州30カ国で構成されるCEN(欧州標準化委員会)やCENELEC(欧州電気標準化委員会)、ETSI(欧州通信規格協会)が発行する、欧州の統一規格です。加盟各国は、EN規格を自国の国家規格として採用することが義務付けられています。CEN規格(CEN/CENELEC規格)や欧州規格と呼ばれることもあります。

③JIS(Japanese Industrial Standards)規格
JIS(日本工業規格)とは、我が国の工業標準化の促進を目的とする工業標準化法(1949年)に基づき制定される国家規格です。JISは、工業標準化法に基づく手続きを経て、制定または改正から5年以内に見直しが行われ、当該規格をそのまま存続(確認)、改正または廃止がされます。
JISには、それぞれに番号が付いています。この番号は、分野を表すアルファベット一文字と4桁から5桁の数字との組合せからなります。

④UL(Underwriters Laboratories)規格
UL LLC(英語:Underwriters Laboratories以下UL)は、アメリカ合衆国イリノイ州ノースブルックに本拠を構え、試験、検査及び認証を行う企業。認証企業として、世界10位前後の規模を持つ。材料・部品・装置・道具類などから最終製品まで、機能と安全性の規格基準を設定し、同時に評価方法を策定、実際に評価試験を実施する。これらの試験に合格した際には、UL認証マークの使用が認められています。
ULは試験対象となった製品等について、何らかの保証を行っているわけではありません。サンプルを評価し安全規格を満たしたものについて、そのサンプルが製品の形状や構成とが同一とみなされる場合に限って、合格を示すULマークを表示する認可を与えている。
ULはマークを発行したリストを管理し提供することで、利用者に材料や製品などがUL認定品であるということを知らしめている。かつては、Underwriters Laboratories Inc.という名称の非営利機関であったが、2012年に現在の社名に変更され、営利企業となった。

⑤NECA(Nippon Electric Control Equipment Industries Association)規格
NECAでは、ISO、IEC等の国際規格の情報収集や調査研究を通じて国際標準化規格の整合化を目指し、国内の審議団体として具体的な提案に結びつける活動を推進しています。また、当工業会所管の既存日本工業規格(JIS)の改正や新規JIS規格の制定、並びにNECAの改正や新規制定の活動も行い標準化に積極的に貢献しています。

端子盤の主な準拠規格
UL1059 Terminal Blocks
UL94 Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances.
JIS C 8201-7-1 銅導体用端子台
JIS C 2806 銅線用裸圧着スリーブ
NECA C 2811 工業用端子台
IEC(International Electrotechnical Commission) 国際電気標準会議

3.3 端子盤の基本設計・試験

①当社基本設計
端子盤を設計する際は、UL規格のフィールドワイヤリング*1を取得できる構造とする事。また、顧客要求によりフジコン設計基準を外れる場合は、量産性及び品質の検証・確認を行い設計をする事。専業メーカーとして、ユーザーから指示がなくても必要スペックの確認を行い客先へ提案を行う事。
その他、UL1059やNECA C 2811の基準をクリアできる様、注意することを基本姿勢としています。

*1 フィールドワイヤリング(FW2)
端子盤を組込んだ機器の端子盤への配線を納入先(客先)工場を含み、機器の設置先での配線も認められる規格取得方法です。
近年、殆どのUL1059取得製品はフィールドワイヤリングを要求されています。製品設計を行う際は規格取得要求が無くても、フィールドワイヤリングを取得できる構造になるように設計を行うようにしています。

参考 ファクトリーワイヤリング(FW1)
端子盤を組込んだ機器の端子盤への配線を納入先(客先)の工場内のみに制限した規格取得方法。
規格取得は容易であるが、客先での使用用途が制限されてしまう為、需要が少ない。

②設計評価試験
製品開発を行った上で、UL1059やNECA C 2811の基準をクリアしているかどうか試験を行っています。
例えば、耐電圧試験、絶縁抵抗試験、温度上昇試験、締付トルク試験、引張強度試験、耐熱性試験、耐寒性試験、耐湿性試験など各規格の試験方法に則って行い安心してご使用いただけることを確認しています。

使用される材料について

4.1 基板などに使われる樹脂について

熱可塑性樹脂と熱硬化性樹脂の違い
プラスチックには非常に多くの種類が知られていますが、そのどれもが、熱可塑性か、熱硬化性かのどちらかに分けることが出来ます。熱可塑性とは、熱をかけていくと溶けるタイプの樹脂のことで、熱硬化性樹脂とは、熱をかけていくと硬くなっていくタイプの樹脂です。
身近な例えとしては、熱可塑性樹脂はチョコレートのような性質、熱硬化性樹脂はクッキーのような性質を持つと例えられることもあります。もっとも、熱硬化性樹脂であっても、熱を上げ続けるとある時点で耐熱温度を超えてしまうと使うことが出来ませんので、プラスチックを選ぶ際には、この常用できる耐熱温度がどれくらいなのかを念頭に置く必要があります。
当社で使用されている樹脂では、熱可塑性樹脂がPBT、PC、PPSなどがあり、熱硬化性ではフェノール樹脂などがあります。

①ポリブチレンテレフタレート(PBT)
熱可塑性のエンジニアリングプラスチックの一つで、耐熱温度は60~140℃です。電気特性をはじめ物性のバランスがよくとれたプラスチックと言われています。寸法安定性、熱安定性が良好なため精密さが要求される部品にもよく使われています。耐酸性、耐アルカリ性などの耐薬品性も良好です。難燃化も可能で、こうしたグレードが各種販売されています。
用途は、電気部品、電子部品、自動車電飾部品、OA機器を中心に部品として使われています。(F2007NS、F2323A、F5016など)

②ポリカーボネート(PC)
単にポリカと呼ばれることもあります。熱可塑性のエンジニアリングプラスチックで、耐熱温度は120℃~130℃と樹脂の中では高めの耐性を持ちます。耐寒性については-100℃程度です。樹脂の中でも低温ではかなりの耐性を持ち、高温域でも高めの耐性です。

無色透明で、耐衝撃性にも優れます。充填剤次第では相当な機械的強度を出すこともできます。耐薬品性については、耐酸性はあるものの、アルカリにあまり強くありません。耐候性にも優れています。透明性にも優れている為、自動車のヘッドランプにも採用されて久しい材料です。吸水性が低く、成形時の収縮は低く抑えることができるため寸法安定性に優れます。こうした点も精度の要求される工業製品との相性が良いプラスチックといえます。又難燃性の材料でもあります。
用途としては、光学用途、光ファイバー、バックライト拡散板、DVD・CDディスク、電子部品ハウジング(携帯電話他)、自動車ヘッドランプレンズ、カメラレンズ・ハウジング、透明屋根材などが知られています。(F1007、F2087NE、カバーなど)

③ポリフェニレンサルファイド(PPS)
ポリフェニレンサルファイド(PPS)は、剛性の強さに特長のある熱可塑性のスーパーエンプラ(ス-パーエンジニアリングプラスチック)で、高性能エンジニアリングプラスチックの一つとして開発されました。充填するフィラーの種類によって強度を変えることが出来ます。
ガラスを40%入れた場合で1.64の比重となります。
常用できる耐熱温度は220℃~240℃前後とされます。耐寒性は-20℃程度まで耐性があります。
優れた耐薬品性を持ち、有機溶剤にも侵されません。流動性も高く成形性も容易です。絶縁材料としても優秀な材料で、温度や周波数が変わっても誘電率にはほとんど影響しません。疲労特性、クリープ性に優れており、耐候性も良好です。難燃剤を添加しなくとも、難燃性に優れた素材で、他に耐ヒートショック性もあります。
主な用途は、電装部品、電気・電子部品、自動車用ワイヤーハーネスの被覆剤、吸気系モジュール部品、繊維、フィルム、対薬品材料、しゅう動部材料、燃料系、油圧ポンプ部品、機械部品のギア、羽などです。(F153、F2058E、F3009など)

④フェノール樹脂(PF)
フェノール樹脂(PF)は、1909年に工業化したといわれる最も古い人工プラスチックです。名称が示すようにフェノールとホルムアルデヒドを原料としており、当時はベークライトの名称で作られていました。今でもベークライトはよく使われており、特に砥石の基盤としてはクッション性があることからアルミなどの金属材料と組み合わせたり、単独で使われることもあります。
フェノール樹脂の比重は1.32~1.45(木粉を充填したもの)で、熱すると硬くなっていく熱硬化性プラスチックに分類されます。充填剤としての木粉は主に電気絶縁性を付与する為のもので、熱硬化性樹脂に添加されます。
常用できる耐熱温度は150℃、酸、アルカリ、熱、油に対しても良好な耐性を持っています(アルカリについては若干弱いとも言われます)。難燃性の樹脂で、電気絶縁性、耐酸性、耐熱性、耐水性に優れます。
用途としては、電気機器、化粧板、絶縁材料、プリント配線基板、アイロンハンドル、配電盤ブレーカー、キッチン用品(鍋・やかんの取っ手・ツマミ)、合板接着剤、砥石などの結合材にも使われます。(F1005、F2050E、F2056Eなど)

⑤ナイロン樹脂(ナイロン66)
ナイロン66は、ナイロン6よりも耐熱性、機械的強度に優れたポリアミドで、融点は265℃前後、比重は1.14になります。エンプラの中では特に強度に優れた素材で、耐熱性の他に耐油性や耐.摩耗性、潤滑性に優れています。ガラス繊維で強化することで機械的性質はさらに向上します。繊維の他、自動車や電気・電子部品の材料として使われています。(F6005、F6013A、F5210ACなど)

4.2 導電板やビスなどに使われる金属について

①黄銅(C2680、C2801など)
端子盤に使用される金属で代表的なものに黄銅があります。導電板やビス、六角ナットなど多種に渡り使用されています。黄銅は一般には真鍮とも呼ばれ、最も使用量が多く、また種類も豊富な銅合金で、銅と亜鉛のCu-Zn系の合金に、更に添加元素を加えて特性を向上させた金属材料です。 主にZn(亜鉛)の添加量で特性が大きく変わる為、七三黄銅など銅と亜鉛の比率を冠した名称が使われている材料もあります。亜鉛量が1%~2%となっているものが雷管用銅、4%から22%のものが丹銅、28%から32%のものが七三黄銅(C2600)、32%~37%が65/35黄銅、37%~43%が六四黄銅(C2801)といった具合です。この亜鉛の比率と添加元素は、電気伝導率、沸点、熱伝導率、耐食性、加工性などに影響してきます。

②リン青銅(C5191など)
溶解鋳造時にリンを添加することにより脱酸を行う。同時に、溶湯の湯流れがよくなることで鋳造性を向上させている。リン青銅は、バネ性に優れている、強度が高い、曲げ・絞り加工性が良いといった機械的性質に加えて、電気伝導率が高いことから、各種コネクタ、リレー(継電器)、端子、ベアリングフレーム、ブレード材などの工業製品の素材として広く利用されている。 ちなみに、当社でコンタクトなどに使用する「C5191」は、錫が5.5~7.0%、リン0.03~0.35%、残りが銅の含有率のものを指す。

③鉄(SWCH、SPCCなど)
通常、鉄と呼んでいるのは、全て鋼のことです。鋼とは、2%以下のC(炭素)を含んだ鉄の合金で他にもMn(マンガン)やP(リン)S(硫黄)などを微量に含んでいます。よほど特殊な目的以外、C(炭素)を含まない鉄は使用しません。 端子盤の部品であるビス、ボルト、ナット、バネ座金、平座金などは主に以下の材料を使用します。

名称 記号 用途
軟鋼線材 SWRM 釘、リベット、ワリピンなど
硬鋼線材 SWRH バネ座金など
冷間圧造用炭素鋼線 SWCH 小ねじ、ボルト、ナットタッピンねじなど
機械構造用炭素鋼*1 S**C ボルト、ナットなど
機械構造用合金鋼 SCM キャップ、高力ボルトなど
冷間圧延鋼 SPCC 平座金など

*1 機械構造用炭素鋼
機械構造用炭素鋼とは、炭素(C)を0.10~0.60%含有するもので、一般にはSC材と呼ばれておりSとCとの間に数字が表示されている。この数字は規定されているC量の代表値(中間値またはその近似値)を示しており、例えばS45Cの炭素量は0.42~0.48%である。

環境負荷物質について

5.1 なぜ環境負荷物質はいけないのか

環境負荷物質とは、人の活動が環境に与える影響で、それによって環境の保全に支障が生じる恐れのあるものを言い、その原因となる物質のこと。人の健康や生態系に有害な影響を与える恐れのある物質の為、禁止したり規制が必要となってきている。
フジコンにおいては年に一回、全従業員を対象に環境品質部が主催し、「環境関連教育」「ISO教育」「内部監査教育」などを行っております。その年の業界の状況に合わせ資料を新しく作り直し教育を行っております。

5.2 RoHS指令とは

「RoHS指令」は電子・電気機器に使用される危険物質に関する制限のため欧州連合(EU)により2003年2月に公布されました。この指令に基づき、2006年7月1日以降は、EU加盟国内において、RoHS指令の禁止物質の含まれる電子・電気機器を上市することはできなくなりました。
このRoHS指令での環境負荷物質6物質の限界値(閾値)は以下のようになっています。

  • 鉛:1000ppm以下
  • 水銀:1000ppm以下
  • カドミウム:100ppm以下
  • 六価クロム:1000ppm以下
  • ポリ臭化ビフェニル(PBB):1000ppm以下
  • ポリ臭化ジフェニルエーテル(PBDE):1000ppm以下

5.3 改正RoHS指令(RoHS2)とは

2015年6月4日、RoHS2の禁止物質(制限物質)にフタル酸系の4物質が追加され、禁止物質は10物質となりました。 改正RoHS指令(RoHS2)は、2011/65/EUのAnnexⅡを置き換える形で(EU)2015/863が公布されました。
追加された4物質の限界値(閾値)は以下のようになっています。

  • フタル酸ジニエチルヘキシル(DEHP):1000ppm以下
  • フタル酸ブチルベンジル(BBP):1000ppm以下
  • フタル酸ジブチル(DBP):1000ppm以下
  • フタル酸ジイソブチル(DIBP):1000ppm以下

5.4 フジコンの管理化学物質について

RoHS指令の他にもREACH(SVHC)、PRTR法、化審法などの環境法令にも対象の物質があります。また、各企業では企業ごとに「グリーン調達ガイドライン」を設け、「禁止物質、管理物質」などを策定しています。
フジコンでは、環境法令とお客様ガイドライン物質を管理化学物質一覧表にまとめ、各環境法令への遵守と各企業のグリーン調達基準を管理しております。

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